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国産材を活用し、環境保全に貢献 リフォーム資材・エクステリア用品商品部 チーフバイヤー 佐藤 清一国産材を活用し、環境保全に貢献 リフォーム資材・エクステリア用品商品部 チーフバイヤー 佐藤 清一

秋田県産の杉材を使って開発した
コメリオリジナル商品「秋田杉合板」。
よりよい商品をよりお求めやすい価格で
提供するという商品開発のコンセプトに留まらず、
地球環境問題にまで想いを馳せた
商品開発プロジェクトを紹介します。

ISSUE 01地球環境問題と日本の現状

自然を破壊してはいけない。木々や草花は大切にしよう。ということは、誰もが教わってきました。実際に世界中で過剰な森林伐採が進んだことによって、地球温暖化や生態系への悪影響など様々な環境問題が発生しています。一方、日本の森林は伐採されず放置されていることが問題となっているのをご存知でしょうか。日本は世界有数の森林国であり、国土の7割を森林が占めています。そのうち4割に当たる約1,000万haは人工林であるため、定期的な間伐作業が必要です。しかし、安価な輸入木材の増加により多くの人工林が放置されたままになっています。実際、日本の木材自給率は食糧自給率よりも少ないわずか31.2%。手入れされなくなった森林は、枝が密集し、木に十分な日光が当たらず痩せ細ります。丈夫な根を張ることもできず、結果として土砂崩れの原因となるのです。伐採せず守ろうという世界の問題とは異なり、日本に限ってはどう国産材を活用するかが課題。そこで目を付けたのが、コメリオリジナル合板の開発だったのです。

ISSUE 02原材料にこだわることで、
欠点を克服

国産材として多いのが針葉樹です。植樹してから伐採までにかかる年数は50年。一般的に合板の原料として使われる熱帯広葉樹の「ラワン」に比べ、わずか4分の1の年月で成長します。持続的に利用可能な針葉樹ですが、大きな欠点がありました。それは広葉樹に比べて強度が弱いことです。しかし寒い気候のなかでゆっくり成長すると強度が増すことも分かっていたため、数ある原料木材のなかから秋田杉を選定しました。もう一つの問題が、用途です。合板の多くがポスターの掲示板や工事現場での敷板としての使用に留まっていました。

INNOVATION 01付加価値のある商品づくり

そこで住宅にも使える品質に変え、付加価値のある商品を開発することを考えました。まずはそれを実現できる技術をもったメーカーを探すことから着手。度重なるテストの末、強度はもちろんのこと、シックハウスの原因物質であるホルムアルデヒドの放散量が極めて少ない優良な商品にだけ与えられるJASマークの表示が許可されました。さらにそのなかでも最高等級であることを示す「F☆☆☆☆」を獲得。見事、居室内装に使用できる合板の開発に成功しました。その後、大型店で半年間の試験販売を経て、2013年3月に約9割の店舗で販売を本格化。その3か月後には、物流経路を見直したことでコストの関係で販売できなかった九州・山口の店舗にも拡大し、全国での販売を実現しました。初年度の年間販売数は20万枚。それが今では年間100万枚、9億円を売り上げるまでに成長しました。これはホームセンター業界でもトップクラスの実績です。

INNOVATION 02販売拡大で環境保全につなぐ

ここまで急成長を遂げた理由の一つがブランド力です。私たちのプライベート・ブランド「K+BUILD」の文字が、合板1枚1枚に印字されています。これは毎月数十万枚という決まった数量をコンスタントに生産・買い取りすることを約束した場合に限り可能です。業界最多の店舗数から生まれる販売力があるコメリだからこそ実現できるのです。さらに、若い樹木は多くの二酸化炭素を吸収します。こうした木材を使った住宅が増えていけば、ひいては地球温暖化の抑制にもつながります。今後も質のよい商品をお求めやすい価格で提供するとともに、商品開発を通じて地球環境の保全にも貢献していきます。

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